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予想外のデビューに至るまで。そしてその先の未来に想うこととは。~就航から1年を振り返って・マーケティング担当編~

こんにちは。ZIPAIR note編集部です。

新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、昨年2020年10月16日に、本来予定していた日程から約5カ月遅れで旅客便の就航を迎えたZIPAIR。就航から1年を迎えるなかで、これまでスタッフたちがたどってきた道を振り返ります。

どんな道程を歩み、そしてこれからどんな道をつくり出してゆくのか。今回は、販売体制構築や広報宣伝などのマーケティング全般を担当する西山雅博さんに話を聞きました。

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プロフィール/西山雅博【写真・左】
2007年にJAL(日本航空)に入社。旅客サービス業務、予約業務、国内線の販売管理を担当する国内路線事業部所属を経て、2018年にZIPAIR Tokyoの前身であるティー・ビー・エルに出向。現在、販売体制構築や広報宣伝などのマーケティング全般を担当する。

チャンスの場に立って感じた、嬉しさと不安。

JALにいた頃は運賃なども含めた販売体制を構築し管理する業務を行っていました。そんななか、2018年にZIPAIRの準備会社が立ち上がることを機に、辞令を受けたのです。

以前から日本のエアラインにはお客さまにとって価格やサービス面の選択肢が少ないと感じており「何か打開策はないか」と考えていました。LCCの成長によって、より幅広い選択肢があればと。そんな時に中長距離を主軸とした国際線のLCCとして立ち上がったZIPAIRに参画できることは、とても嬉しく感じていました。

もちろん不安もありました。エアラインを一からつくり上げるなんて、当然未経験でしたから。正直、うまくいくのか疑問に思っている自分もいました。

ただ、これはこれからの航空マーケットにおいて必要なチャレンジだとも確信していました。日本には中長距離に特化したLCCはかつてなく、その先駆けとなれるのなら、どんな大変なことも厭わないと覚悟を決めたのです。

準備会社がスタートした当初は、折しも航空市場は活況。LCCも広く浸透していましたし、インバウンド需要も右肩上がりでした。まさしく好景気。新しいことにチャレンジするには絶好の機会といえました。しかし、そのトレンドをZIPAIRとして掴めるかどうかは、自分たち次第。「せっかく来ている大きな波に乗れなかったらどうしよう」という不安もありました。


「常識にとらわれない」。その重要性を痛感した1年。

就航まであと少し、というところで新型コロナウイルス感染症が発生。就航日も延期となってしまいました。

就航前は、万全の状態で準備をしていたものの、すべてが新しいことばかりで常に「これでいいのか」という不安が付きまとっていました。それが、延期が決定してからは「何か打開策を打たなければ」という焦りに変わったのを覚えています。

航空機は飛ばすだけで大きな経費がかかるので、お客さまがいらっしゃらないのならばなるべく飛ばさない方が基本的には得策とされます。コロナ禍でお客さまが海外渡航できないなか、旅客機を使用した貨物専用便として運航開始することを決断しました。ただ、貨物事業でどれだけ収益を出せるかは懸念点でした。

しかし、いろいろと工夫をし問題をクリアしていった結果、貨物事業でも十分な収益が上がるようになりました。これは、自分にとって大きな成果でした。それまで頭の中で難しいだろうと思っていたことが、現実化できたのですから。

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その気づきは、とても有意義だったと思っています。それに、どうやって売り上げを創出していくかということは、新しいエアラインを立ち上げることの目標そのものであり、醍醐味ともいえます。

ただ、広報という立場としては「お客さまに乗っていただけない状況が続くことで、ZIPAIRという存在が薄れてしまうのではないか」という危惧がありました。お世辞にも華々しいデビューとはいかなかったわけですから。

“新しい時代の新しいエアライン”という触れ込みも、時代そのものがまるで予想していなかったものになってしまいました。

こうした状況の中で大切に感じたことは、現状の打開策に加えて未来を提示することだと思いました。現状ではお客さまがいない中でも、LCCとして乗っていただきやすい運賃をキープすること。「移動が必要なお客さまは運賃が高くても乗ってくれる」という考えで高い運賃を設定するのではなく、LCCとして妥当な金額をご提供することで「ZIPAIRというLCCが立ち上がったんだ」ということを伝えたいと思いました。

そして未来に向けては、これからどんな路線が誕生するのか、そしてその就航予定の路線がたくさんあることを示していきました。

そうして迎えた就航日。初便ですがお客さまは2名のみ。正直「これほどに少ないのか」と肩を落としました。でも、一方でとてもありがたかったです。ようやくお客さまに乗っていただける日が迎えられた安心感もありました。貨物事業で収益を上げることが実現できたとはいえ、やっぱりお客さまに乗っていただくことが本懐ですから。

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変わりゆく時代とニーズに、どう対応していくのか。

この1年間は「料金やサービスの面で、どれだけ多くの方々にZIPAIRの魅力を伝えるか」ということに必死でした。大切なことは、ZIPAIRの個性を伝えること。なぜならLCCのライバルはたくさんいますから。

そういう意味では、ソウル線が好調なのは嬉しいですね。ソウル線はLCC激戦区。その中で、毎便多くのお客さまにご利用いただいていることは、ZIPAIRにほかにはない魅力を感じていただけているからだと自負しています。

まだまだ厳しい状況は続くと思います。しかし、この1年間で状況に応じてフレキシブルに考え方や行動を変えていくスキルを身につけられたと思います。エアラインとしても、就航路線を状況に応じて臨機応変に変更していますから。改めて振り返ると「この1年でさまざまな経験をさせてもらえたな」と思います。

本当の勝負はこれからだと思っています。コロナ収束後をどう見据えて動くのか。需要が戻ったとしても、以前と同じ状況に戻るわけではありません。お客さまが求めることも、きっと変化していることでしょう。

ZIPAIRは、「NEW BASIC AIRLINE」というコンセプトを掲げています。これまでになかった、新しい常識を作っていく。その真価がまさに試されるのだと思います。


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