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壮大な目標達成への道も小さな一歩から。ZIPAIRにおけるSDGsの取り組みと2030年に目指す姿とは。

こんにちは。ZIPAIR note編集部です。

2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す「持続可能な開発目標(SDGs)」。17のゴールに向けて世界各国や企業でさまざまな取り組みが行われています。

ZIPAIRでもこれまでにご紹介してきたように、機内食アメニティにおいて取り組んでいるものがありますが、その背景には「2030年1機まるごとSDGsフライト」という大きな目標があります。

SDGsに対してどのように考え、実現に向けてどう取り組んできたのか、そしてこれから挑戦をしていくこととは。

社内の「SDGsプロジェクトチーム」でリーダーを務める、企画マーケティング部・平山 茂に話を聞きました。

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プロフィール/平山 茂
1997年ジャルロイヤルケータリングに入社。搭載や税関業務のほか、機内食工場建設などのプロジェクトを経験した後、ZIPAIR Tokyoの前身であるティー・ビー・エルにて客室サービスに関する業務に従事。2020年にZIPAIR Tokyoへ出向以降、企画マーケティング部にてマネージャーを担当する。

“誰一人取り残さない”でSDGsの課題に向き合う。

―世界中が取り組んでいるSDGsをZIPAIRではどのような位置づけで考えていますか?

2018年に準備会社であるティー・ビー・エルをスタートした段階から、SDGsの目標達成に向けた活動に積極的に取り組むエアラインをつくるという構想がありました。2020年からは本格的に「SDGsプロジェクトチーム」も立ち上げ、客室乗務員8名からなるメンバーを中心に活動しています。

SDGsがうたう地球上の“誰一人取り残さない”という理念に基づき、スタッフ全員が参画する“誰一人取り残さない活動”と定めプロジェクトではなく通常業務として位置づけています。

―活動開始にあたって立てた目標が「2030年1機まるごとSDGsフライト」ですね。具体的にどのようなフライトを実現しようと考えていますか?

フライトに必要となるものは、すべてを環境に配慮したものを活用して運航することを目指しています。例えば、機内サービスで使用する物品は可能な限り地上資源の再利用を行ったり、機内食もASC認証やMSC認証[*1]を取得した環境に配慮された食材を積極的に採用していくことですね。壮大な目標ですが、まずは社内・機内で気づいたことをどんどん実行していくことから始めています。

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限りある資源を未来に残すために、前例にないことも積極的に行動へ。

―機内ではどのような取り組みを始めているのでしょうか。

「まず何ができるだろう」と考えた時、家庭でできるような身近な取り組みを飛行機に当てはめてみました。そこで始めたのが、ゴミの一部をリサイクルに回すことです。

機内食の容器やフォーク・ナイフといったカトラリー類、飲み物が入ったアルミ缶やペットボトルなど、機内サービスに付随したものだけでも相当な量のゴミが発生します。

アルミ缶やペットボトルは通常はゴミとして排出されますが、ZIPAIRでは客室乗務員が機内で分別収集し、目的地に到着後リサイクルに回すようにしているんです。

ほかにも、繰り返し使えてゴミを生み出さないという発想から、機内販売品にステンレス製のストローを導入しました。洗浄用のブラシ付きで、日々の生活でもお使いいただけます。

―ドリンクサービスがある形態の企業で再利用できるストローを販売しているのは珍しいですよね。

マイクロプラスチック削減の視点から、2020年頃に大手コンビニエンスストアや外食チェーン、コーヒーショップなども紙ストローを積極的に導入しました。ですが紙製だと使い終わったらゴミになってしまう。

そこで“ゴミを出さないようにする”という視点で考えて、再利用できるこの形にたどり着きました。実は携帯用の袋も、成長が早い麻を使用して環境への負荷が少なくなるようにしています。

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―“ゴミを出さない”という観点以外で取り組んでいることはありますか?

可能な限りリサイクル原料を使うことです。地上資源を有効活用しようと考え、カップはリサイクルされたPET樹脂、カトラリーの包装は生分解性プラスチック[*2]で作りました。

また、機内食を収納するカートの引き出し(ドロワー)の原材料には廃プラスチックを使用しているんです。通常のプラスチックよりも高単価ですが、おそらくエアラインとして世界初の試みだと思います。

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より良い世界への強い想いと行動力を武器に。挑戦は始まったばかり。

―環境へ配慮したものを選択することで難しかったことはありますか?

就航日に向けて機内サービス用品が不足しないように調達するという面でとても苦労しました。実現できたのは、一緒に働く仲間たちの力が大きかったですね。

ZIPAIRはJALグループの国際線中長距離LCCですので、JALと同じ取引先で同じものを使うという選択肢もあります。ですが、環境に配慮したものをできる限り調達するために、自分たちで足を運び、ZIPAIRの想いや考えを自分たちの言葉で伝え、たくさんの取引先を開拓してきました。

用品の製造や価格交渉、納期交渉を進め就航日に遅滞せず配備できたことは、今振り返ると私たちの大きな自信と財産になったと思っています。

―今後も新たな活動を次々と形にしていけそうですね。

私たちの取り組みは、ほかの企業が行っている活動に比べて着手できていないことが多いと思っています。SDGsで掲げられている17のゴールのなかからできることを積極的に着手していこうと思っています。

現在、皆さんが知らず知らずのうちにSDGsの活動に参加してもらえるような新しいアイデアも構想中です。

もしかするとその一歩一歩は小さく見えるかもしれません。ですが、私たちはエアラインとして世界を変える大きな一歩につなげていきます。

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*1:ともに、水産資源や生態系など環境に配慮された漁業でとられた水産物に与えられる認証のこと。ASC認証は養殖の水産物、MSC認証は天然の水産物が対象
*2:使用後は自然界に存在する微生物の働きにより分解され、最終的には二酸化炭素と水となって自然界へと循環するプラスチックのこと


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