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サービスクオリティを下げずにコストを下げるための工夫とは。

こんにちは。ZIPAIR note編集部です。

新しい価値観を提供するエアラインとして、どのような創意工夫を重ねて、料金を抑えながらクオリティの高いサービスを生み出しているのか。今日はそんなLCCの内側を、企画マーケティング部の太田裕司に聞きました。

私たちが目指すのは、皆さん一人一人に納得してもらえる“サービスクオリティ×コストバリュー”を両立できるエアラインであることです。

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プロフィール/太田裕司
2003年JAL(日本航空)に入社後、運航安全推進部や財務部、経営戦略部に所属。現在はZIPAIR Tokyoのエアラインのコスト構造を検証・分析しながら、新事業戦略業務に従事する。

人手がかからない、シンプルなサービスを創出。

―そもそもLCCとはどういうエアラインのことを指すのでしょうか。

自分で好きなサービスを選んで自分でフライトを作り上げるのが、LCCと考えています。

例えばフルサービスキャリアは、カウンターでチェックインし手荷物を預けた後、ラウンジの利用や機内食を含む機内サービスなど、搭乗から降機までの一連のサービスを全部含めて運賃を決めています。

LCCの場合は、フルサービスキャリアのサービスを解きほぐして、1つずつに価格をつけるスタイルなので、結果的に料金が抑えられるというシステムになっています。

―どんな工夫でコストコントロールをしているのでしょうか。

例えば、ZIPAIRでは同じ機内仕様のボーイング787-8型機を2機導入していますが、これもコストを抑えるための取り組みです。

飛行機の機種が異なると、運航乗務員の操縦資格や整備士の資格取得、客室乗務員の訓練内容も機種ごとに必要です。整備面では機種ごとの部品やマニュアルを用意することにもなります。

使用機材を787-8型機のみにすることで、操縦資格や整備の共通化を実現し、オペレーションを含めた人件費やメンテナンス費も抑えられ、私たちにとってもお客さまにとっても、とても大きなメリットが生まれています。

さらに、LCCはたくさんの回数を運航し、機材の稼働率を上げることで収益を生み出すビジネスモデルになります。1日24時間の中でどれだけ飛行機に働いてもらうかを考えたとき、早朝や深夜の枠もフルに活用するということも重要な工夫の1つです。

機内設備に関しては、主だったところですと、個人用のシートモニターを外したことです。機体の総重量が減り、燃費も向上。さらには整備士によるメンテナンスも不要になります。もちろん、そのコストも料金に還元しています。


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―コストコントロールをしつつ、サービスクオリティを保つ秘訣はなんでしょうか。

前提として、料金を抑えられたからといって、サービスの簡略化やクオリティを下げるということは一切ありません。むしろ人手をかけないサービスの提供に挑戦しています。

その取り組みの1つが、LCCで初めて導入したセルフオーダーシステムです。スマートフォンやタブレット端末を使って、お好きな軽食や欲しい機内販売品を注文できるシステムで、端末上で注文から決済までを完結することができます。

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また、バラエティー豊富な機内食も、機内ではスチームオーブンで温める形に統一し、さらに温める時間をパターン化するなど調理手順を複雑にしないよう工夫をしています。これにより、客室乗務員にとってはシンプルな動きに徹底できるようになります。

もしメニューごとに調理法や設備を変えてしまった場合、客室乗務員に教育する時間や新たな設備の導入など、新たなコストが生まれてしまいます。サービスをシンプルに定型化することが、全体的なコストコントロールにもつながってくるのです。

―人手をかけないという点では、スマートフォンを使ったチケットレスのシステムもコストコントロールにつながりますよね。

チケット予約から購入、搭乗へのチェックインや手荷物のお預け、搭乗まですべてをスマートフォンで完結できますので、私たちも人手を少なくできます。(*1)

お客さまにとっても、カウンターでの手続きやチェックインの待ち時間を最小限にすることができます。出発のために、空港へ数時間前に到着するという必要もありません。


新しい時代のエアラインとして目指すこと。

―ほかのLCCと異なる点はありますか。

私たちは絶対に“安かろう悪かろう”というLCCにはなりません。

料金を下げるために座席ごとのシートピッチ(シートの前後間隔)を狭くして座席数を増やすという、LCCとしての選択肢もあります。

ですが、私たちは機内食を用意するギャレー(厨房設備)の削減やバーカウンターの撤去、ラバトリー(化粧室)の配置見直しなどをすることで、シートピッチをフルサービスキャリアと遜色ない世界標準のシートピッチを確保しています。

―今後の抱負を教えてください。

これからも自分からフライトを組み立てられる新しいスタイルのエアラインとして、サービスクオリティを追求しながらコストコントロールに挑戦します。

お客さまのニーズとチョイスを尊重するNEW BASIC AIRLINEであるために、今後新たな価値観を生み出していきますのでぜひご期待ください!

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*1:新型コロナウイルス感染症の影響による各国の出入国条件厳格化に伴い、現在、全便対象外としております。空港チェックインカウンターにてご搭乗手続きをお済ませください。

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