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SDGsの観点から考えた、機内アメニティグッズの新しい在り方。

こんにちは。ZIPAIR note編集部です。

機内のアメニティグッズといえば、皆さんは何を思い浮かべますか?

フライトを快適に過ごしていただけるようブランケットや耳栓、スリッパなどエアラインごとに用意されていますが、ZIPAIRではこだわり抜いたデザインや素材のアイテムを揃えています。

ZIPAIRとして目指すアメニティグッズについて、企画開発に携わっている企画マーケティング部の伊藤浩二郎と五木田 忍の2人に話を聞きました。

キーワードは、“SDGs”です。[*1]

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プロフィール/伊藤浩二郎
2008年JAL(日本航空)に入社。予約センターや旅客サービス業務をはじめ、国際路線のレベニューマネージメントなどの職務に就く。2018年からZIPAIR Tokyoの前身会社であるT.B.L.へ異動し、機内サービスの構築・企画を担当する。

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プロフィール/五木田 忍
2014年ジャルロイヤルケータリングに入社。機内食の積み降ろし業務や政府専用機のオペレーション、機内サービスのプロジェクトを経験後、2020年からZIPAIR Tokyoへ出向。現在は、機内食や機内販売品の企画制作を担当する。

アメニティグッズ開発に込めた想いとは?

―まず、ZIPAIRにおけるアメニティグッズの考え方を教えてください。

伊藤:エアラインによっては貸し出し品もありますが、ZIPAIRは基本すべてが販売品です。購入してお持ち帰りいただくスタイルを採用しました。

その理由は、ZIPAIRが提供したい価値の1つとして掲げている“自分らしい時間を過ごしてもらいたい”というコンセプトにあります。

フルサービスキャリアのようにすべてのサービスを含めて提供するというよりも、お客さまがご自身でサービスを取捨選択して、欲しい物を適切な価格で購入してもらいたいと考えています。

―手に取っていただくためにどう工夫をしたのですか?

伊藤:機内で使うだけでなく日常の生活でも使えるようなデザインと機能性であることを最重要視しましたね。

まれに機内で購入したグッズを使った後そのままシートに置いていってしまう光景が見られるのですが、私たちはまずそのような無駄をなくしたいと考えました。

”日常でも使えるもの“を目指して挑んだ製作の舞台裏。

―どのような流れで開発していったのでしょうか。

伊藤:最初に、機内サービスの一環としてどんな商品ラインナップを展開するかを検討します。それから五木田と一緒に素材やメーカーの選定などを行い、形にしていきます。

現在アメニティグッズは全13種類を用意していまして、そのうち7種類はZIPAIRのオリジナルになります。

五木田:ZIPAIRのブランドを体現するものにしたいと考え、機体デザインやブランドコンセプトに協力いただいているSIXさんのデザイナーとともに製作し、メーカーに対してはSIXさんから提案されたグッズイメージを提示して、サンプルのやり取りを何度もしながら仕上げていきました。

―実現するのに特に苦労したアイテムは何でしょうか。

五木田:起案から商品化まで1年以上かかったアイテムもありまして、なかでもブランケットやネックピローの2品は素材や形状を相当こだわり抜いて開発しました。

ブランケットは、10種類程度の素材候補から毛足の長いフリース生地を採用しています。ですが、肌触りはふんわりとしていてよいものの、ZIPAIRのブランドカラーである “ハーモニー・グレー”の色合いをなかなか表現することができず、とても苦労しました。

ブランドを体現するというSIXさんの熱意もあり、メーカーさんにはサンプル品を何度も何度も調整していただき、時間をじっくりとかけて作り上げました。オフィスや車の中など日常で積極的に使っていただけるような色合いとデザインに仕上がっています。

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―ネックピローはどのようなポイントに工夫を凝らしたのでしょうか。

五木田:一番は形状ですね。空気を入れて膨らませるタイプを採用し、使用後はコンパクトに折りたためるようにしました。

エアポンプで空気を入れるので好みの弾力に調整もできますし、持ち運びがラクですので機内だけでなくさまざまな場面で使っていただけるのではないでしょうか。

もちろん着け心地や肌触りもしっかり考慮していますので、実際にぜひ体感していただきたいですね。

―他社のエアラインもアメニティグッズを展開していますが、差別化した部分があれば教えてください。

五木田:世間の多種多様なニーズを的確に把握した商品ラインナップとクオリティという点には自信を持っています。

安価なものを大量生産するということではなく、サービスと価格のバランスを考えながら、皆さんにとって“なにがちょうどよいのか”ということを常にアンテナを張って商品開発に反映しています。

伊藤:「ZIPAIRのお客さまにはどんなアイテムが喜ばれるのだろうか」「日常のどんな場面で使っていただけるだろうか」と想像して生まれたアイデアをグッズに落とし込んでいます。

また、国内、海外問わずさまざまなエアラインに乗ってリサーチしましたね。実際に商品を買っては機内だけでなく地上で使ってみたりして、使い勝手のよさを確かめて参考にしていました。

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SDGsをどう取り入れているのか。

―SDGsの観点からも取り組んでいることがあるようですね。

五木田:アメニティグッズを包むパッケージの多くは自然に分解できない非生分解性プラスチック製の透明な袋ですが、私たちは最終的に水と二酸化炭素に分解される生分解性プラスチック包装紙を採用しています。

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伊藤:アメニティグッズ自体にもSDGsの観点を取り入れたものがあります。

例えば、ドリンクを飲むときに使用するストローです。フルサービスキャリアで提供するストローは、プラスチックの代替品として紙製を導入し始めています。ですが紙製は使い捨てになりゴミ問題にもつながります。

そこで私たちはあえて紙製を選択せず、繰り返し使えるステンレス製のストローを購入していただき、リユース(再利用)してもらうことにしたんです。

シンプルなデザインですので日常でも使いやすく、結果的にSDGsへの貢献にもつながると考えています。

五木田:そのほかに、リユース可能なものとしてトートバッグも挙げられます。

レジ袋有料化に伴い需要が高まっているエコバッグとしてお使いいただけますし、裏側はキャリーバッグのハンドルに通すことができるため旅先でも使いやすい仕様になっています。

丈夫な厚手の生地を採用し、表側には何も装飾を加えず裏側に機体の尾翼だけプリントした、街中に溶け込むシンプルなデザインに仕上げています。持ち手の長さや幅も、握りやすさと耐久性にこだわり抜きました。

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時代やお客さまのニーズに合わせたアイテムを展開する。

―Webサイトでは、ご搭乗いただくお客さまに向けて、事前にアメニティグッズのセット販売もしているんですね。

五木田:ブランケットや耳栓、アイマスクなど5つのアイテムがセットになった「アメニティセットA[*2]」と、トートバッグが加わった「アメニティセットB[*2]」をWebサイト限定(コンタクトセンター)でご用意しています。(ラインナップはこちら

―今後、導入予定のグッズはありますでしょうか。

伊藤:就航したばかりということもありますが、今ご用意しているアイテムを手に取ってくださった皆さんの声を聞きながら、ニーズに合った商品の開発へ向けてスピーディーに挑戦していきたいです。

個人的には、SDGsの取り組みにもつながるタンブラーは作ってみたいですね。

―最後に、note読者の方にメッセージをお願いします。

五木田:SDGsにも「つくる責任つかう責任」として掲げられているように、物をリサイクル(再資源化)しリユースすることは必要不可欠なことです。

ZIPAIRのアメニティグッズは、その側面を意識したラインナップをご用意しています。ぜひ手に取っていただき、機内だけでなく日常でも使っていただけるととても嬉しいです。

伊藤: ZIPAIRが目指す“自分らしく楽しめるフライト”を提供できるよう、アイデアをたっぷり詰め込んだアメニティグッズをご用意しました。手に取っていただいた時、私たちのそんな想いを少しでも感じていただけたら幸いです。

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*1:SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)は、持続可能でよりよい世界の実現を目指す国際目標です。詳しくは、外務省のホームページよりご確認ください。
外務省ホームページ:
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/about/
*2:「アメニティセットA・B」は、ご出発の24時間前までの予約販売になります。アメニティグッズは機内での単体販売もありますが、数や種類は限定になります。

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