
ZIPAIRらしさを突き詰めたロゴ、カラー。デザインを通じて伝えたい想いとは?
こんにちは。ZIPAIR note編集部です。
私たちのエアライン名にあたる“ZIPAIR“。そして会社名にあたる”ZIPAIR Tokyo“。今回は、これらの由来やロゴデザイン、コーポレートカラーに込めた意味について、企画マーケティング部の西山雅博に聞きました!
プロフィール/西山雅博
2007年JAL(日本航空)に入社。関西国際空港での旅客サービス業務、予約センターでの予約業務を経験し、国内線のレベニューマネジメント(販売管理)を担当する国内路線事業部に所属。2018年7月のティー・ビー・エル(2019年3月にZIPAIR Tokyoへ社名変更)立ち上げに併せて出向し、現在に至る。
新しい時代の人々に長く愛されることを願って。あえてキャッチーではないネーミングを意識。
―ZIPAIRのイメージを作り上げるまでの流れを教えてください。
ブランディングのパートナーとして、アーティストのジャケットやPV、ライブ演出など、さまざまな方面で活躍するクリエイティブエージェンシーのSIXさんにお願いをしました。
アートディレクターの矢後直規さんをはじめとするスタッフの方々とタッグを組んで、「自分たちがどういう会社になりたいか」というところから、ZIPAIRのイメージをどう伝えていくかを一緒に考えてきました。そうしたエアラインのコンセプト開発を中心に、機体の外装や内装から、アメニティに至るまでのブランドデザインを担当してもらっています。
―名称が決まった時、どのように感じましたか?
もちろんフルサービスキャリアとは違いますが、LCCに多いキャッチーでポップな名称とも離れている印象でした。
JALが国際線の中長距離LCCの会社を立ち上げるにあたって、2018年5月に準備会社としてZIPAIR Tokyoの前身の、To Be Launched(立ち上げ)を意味する“ティー・ビー・エル(T.B.L.)”という会社を設立したんですが、JALの赤坂社長からも「ユニークなLCCモデルを作って欲しい」とリクエストもあり、社内では「とっても(T)・ぶっ飛んだ(B)・LCCを作る(L)」というスローガンを掲げて、新規就航に向け取り組んでいました。
その後、今の名称となったのですが、ZIPAIRというエアライン名からも「新しい会社を出していくんだな」と感じましたね。
―ZIPAIRの名称以外にもいろいろあったそうですね。
SIXのメンバーと社員でさまざまな社名を出し合いまして、その中で“ZIPAIR Tokyo”はLCCの名称っぽくない、強いインパクトで記憶に残る名前でした。日本で立ち上がったエアラインとして安心して利用できるというイメージを持っていただきたいなと思っています。
―ところで“ZIP”にはどんな意味があるんですか?
“ZIP”には、大きく3つの意味を込めています。
まず、矢などがビュッと素早く飛ぶ様子を表す英語の擬態語“ZIP”で、フライトの「体感時間が短いエアライン」ということを表現しています。2つ目は、郵便番号=“ZIP CODE”から「いろいろな場所に行ける」ということ、3つ目は、デジタルファイルフォーマット“.zip”のイメージを盛り込んで、エアラインとして「至る所に日本人らしい創意工夫をつめて、計算し尽くされた移動体験を目指す」 という想いを込めました。
社名に“Tokyo”を加えたのは、ZIPAIRのベースとなる地名ということ、さらに世界でも有数のカルチャー発信都市“東京”を冠することで、日本らしさを追求する姿勢を表現しています。
常に変革を求めるエアラインへ。ロゴデザインでブランドコンセプトを体現する。
―ロゴを作成するにあたって考えていたコンセプトを教えてください。
JALやほかのLCCと一線を画そうと思いまして、ZIPAIRだからこそできることを突き詰め半年くらいかけて考案しました。
大きくは、“ZIPAIR”と“Z_”の2パターンがあります。“Z_”は、究極を意味する“Z”と、“AIR”を表現する空白“_(アンダーバー)”を組み合わせました。この空白を“Infinite Blank(インフィニット・ブランク=無限の空白)”と呼んでいまして、際限なくエアラインの可能性を引き出し、お客さまの満足感を創生していくという想いを込めています。
―フォントを選ぶ時に基準はあったんですか?
優美で誠実な印象を与えるローマン体の中で、新しい時代の変革期に登場した“Baskerville(バスカヴィル)”をセレクトしています。遠くからでも見えやすく、見る人に安心感を与えられるように意識していまして、エアライン名のロゴにすべて大文字を採用しているのも同じ理由からです。
―ロゴのデザインバリエーションがたくさんあると伺いましたが、それはなぜでしょうか?
ブランドロゴは、私たちが提供するものや意気込みを表現した企業のアイデンティティであり、皆さんとの最初の接点と考えています。ロゴを通じて、常にアップデートし続けるエアラインであることを感じてもらえるよう、Infinite Blankの位置をさまざまな場所に配置するクリエイティブも随時お披露目していく予定です。いろいろな形にアレンジした”Z_”から、時代の先を目指すZIPAIRの姿勢を感じてもらえるとうれしいですね。
独自の名前を付けたコーポレートカラー。込められたメッセージとは?
―コーポレートカラーにはどんな意味を持たせているのですか。
メインカラーはグレー、サブカラーはグリーンを選んでいます。
グレーは、さまざまな色が混ざり合って生まれる色でして、時代に合ったサービスを絶妙なバランスでコストバリューと調和させるエアラインでありたいと考え、“Harmony Gray(ハーモニー・グレー)”と名前を付けました。
また、安全や安心のイメージがあるグリーンには、エアラインとして安全運航や定時運航を守る信頼の証しを表現して“Trust Green(トラスト・グリーン)”としています。
―機体もシンプルで、すっきりとしたデザインですよね。
私たちはボーイング787-8型機という、国内LCCでは初の中型機を2機導入しました。白をベースとした機体の側面には、横一線に緑の細いラインを入れて、目的地に向かって素早く飛ぶスピード感を表しています。垂直尾翼には、ハーモニー・グレーをベースに、シンボルマークの”Z_”を配しました。
―これらのクリエイティブはみんなで何度も話し合ったとか。
客室乗務員を含む全スタッフで何度も何度も話し合い、いろいろな意見を交換して、半年以上かけて進めてきました。スタッフ全員が納得するプロセスを重要視しましたので、思った以上に時間はかかってしまいましたが、最終的には私たちの想いを形にできたと考えています。
―常に変革を求め、顧客体験を大事にする。ロゴや機体のデザインからそんな姿勢が伝わってきます。
私たちは至れり尽くせりなフルサービスキャリアでもコストだけを追求したLCCでもなく、その真ん中を埋められるような新しいエアラインを目指してきました。どうしたらお客さまにとって安心でき心地いいものを提供できるか、フライトの体感時間を短くできるかを考え、表現した結果がこれらのデザインにも落とし込まれています。
今後もアップデートをしながら、しっかりとニーズに応えられるよう成長していきますので、皆さんがZIPAIRと出合う時には、そんな視点で見てもらえると大変うれしく思います。